思春期早発症とは

思春期早発症イメージ

二次性徴がみられはじめた時が思春期の開始の時期です。
二次性徴の変化というのは、男の子では精巣が大きくなる、女の子で乳房が発育することから始まります。思春期の始まりに関しては性別で異なります。女子であれば10歳少し前、男子であれば11歳半くらいが平均的な思春期開始の時期です。
この思春期の開始時期が通常より早いと思春期早発症と診断されます。具体的には女の子では7歳6ヶ月、男の子では9歳より早い場合です。その場合早く身長の伸びが止まることにより低身長になってしまうこと、周囲の人との体や心の成熟度の違いから心理面に影響が出ることがありますので、治療を必要とすることがあります。

思春期早発症の原因には大きく二つあります。

ひとつは中枢性思春期早発症です。これは脳の視床下部にある下垂体からゴナドトロピン放出ホルモンが早期に放出されている状態で、これによって性腺(卵巣、精巣)からの性ホルモンの分泌も早まるようになります。その原因としては、不明のケース(特発性)と病気(器質性)の場合とに分けられます。特発性は女子に多く、器質性の原因疾患としては、視床下部過誤腫、水頭症、脳炎後遺症、頭部外傷の影響、脳腫瘍などが挙げられます。

2つ目は、原発性思春期早発症と呼ばれるもので、性腺や副腎等の内分泌器官から性ホルモンが過剰に分泌されています。原因としては、副腎や性腺に腫瘍が発生していることなどが考えられます。この場合は、下垂体から分泌されるゴナドトロピンの分泌は抑えられています。

治療について

原因疾患が特定している場合は、その治療を行います。例えば、脳や副腎などに腫瘍があれば、それを取り除く手術となります。

また原因が特定できないとされる、特発性中枢性思春期早発症であれば、薬物療法を行っていきます。この場合、LH-RH(GnRH)アゴニストと呼ばれる薬剤を投与していくことで、性ホルモンの分泌を抑制していきます。