低身長とは

低身長イメージ

低身長とは、標準身長の-2.0SD以下、あるいは3パーセンタイル以下の状態をさします。母子手帳や学校で渡される成長曲線の1番下の線は3パーセントタイルです。それよりも下回る方は、経過観察が必要です。またその線は下回ってはいないけれど、急に身長が高くなったり、低くなったりすると、標準の成長曲線から大きく外れることがあります。その場合も疾患がある場合がありますのでご相談ください。

原因に関しては、遺伝が関連していることが多いといわれています。男の子では(お母さんの身長+お父さんの身長+13)÷2 、女の子では(お母さんの身長+お父さんの身長―13)÷2の身長が目標身長といって、遺伝から導き出される身長の予測値になります。ただ思春期の時期等についても、各々に違いがありますので、その時の身長体重のみで身長が最終的にはどのくらいになるかは予測することは難しいと思われます。

また病気が原因の低身長としては、内分泌疾患の発症によって引き起こされる内分泌性低身長があります。この場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症(脳下垂体より分泌される成長ホルモンが低下している状態です。原因としては、脳腫瘍等の発生、遺伝子異常等のほか、不明のケースもある)、甲状腺機能低下症などが挙げられます。このほか染色体異常(ターナー症候群、プラダーウイリー症候群 等)、骨や軟骨の異常(軟骨無形成症 等)、母体にいた期間と比較すると小さく生まれてきている(SGA性低身長)、内科的疾患(心臓、腎臓、肝臓 等に疾患がみられる)による場合もあります。

検査について

必要時、検査を行います。問診、診察をはじめ、身長と体重の測定、レントゲンによる骨年齢測定、血液検査、尿検査等をしていきます。これらによって低身長の原因を調べていきます。

小児の肥満とは

小児の肥満イメージ

お子さまの肥満は(1~17歳)は肥満度で評価します。肥満度の計算は【(実測体重-標準体重)÷標準体重】×100になります。標準体重は年齢や身長によって異なります。
6~17歳では肥満度が20%を超えると肥満と判定されます。ちなみに20%以上30%未満を軽度肥満、30%以上から50%未満を中等度肥満、50%以上であれば高度肥満ということになります。
ただ幼児(1~5歳)では肥満に対して早期に認識、介入する必要がありますので15%以上が肥満と判定されます。

肥満の原因

肥満の原因は消費エネルギーより摂取エネルギーが多いことからおこります。小児の場合、生活習慣が肥満に影響することが多く、健康的な食を含めた生活習慣を会得することが成長の上でとくに大切なことと思われます。食事時間や内容が偏ったり、運動量が少ない、睡眠時間が短いなどの生活習慣などが要因となり、各々の方で様々です。

この肥満の状態というのは小児であっても、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症 等)を発症することもありますし、動脈硬化も促進させます。つまり脳血管障害(脳梗塞、脳出血 等)や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)等の合併症発症リスクも上昇させます。幼児期、学童期の肥満は成人肥満につながるといわれています。小児の時期には異常がなかったとしても、将来的に生活習慣病に罹患する、あるいは重篤な病気を発症しやすくなるということです。そのため、できる限り肥満を解消していく必要があります。

治療について

肥満の治療は生活習慣自体を変えていく必要もありますので時間がかかります。一回の受診による指導で改善していく方もおられますが、なかなか難しいことが多いようです。毎日の食事を見直す(食事療法)、摂取したエネルギーを消費しやすくするために適度に運動をする(運動療法)など適切な体型を維持するための生活習慣を身につけていきます。

これらの内容というのは、本人だけの努力で達成できるものではありません。もちろんご家族の方々の協力も必要です。ただそれだけでは達成するのは難しく、生活習慣の改善を持続していくために、継続通院が効果を発揮するとおもわれます。いっしょに考えながら健康的な生活習慣を会得していきましょう。